当事務所では、これまで数件C型肝炎訴訟を取り扱ってきました。その訴訟を通じて当事務所でこれまで調べたこと、参考にしたサイトなどを、情報共有のために記します。
C型肝炎ウイルスは世界中に現在7つの型が存在する。
日本には1bと2aと2bが存在しており、とりわけ日本では1b型が多く、約70%を占めている。この1b型のC型肝炎ウイルスが1860年頃に日本に侵入し、最初に広がり始めたのが1920年頃、そして急激に拡散したのが1945年頃、そして広がりが急停止したのは1989年ということが分かっている(後記文献参照)。
1920年頃の拡散は、日本住血吸虫症の特効薬の注射針の使い回し、1945年頃の拡散は、戦時中からのヒロポン(覚醒剤)の注射針の使い回しが原因であったと考えられる。当時ヒロポンを使ったことがある人は200万人ほどいると言われており、注射針の使い回しによって爆発的にC型肝炎ウィルスが日本で蔓延したと考えられる。
ヒロポンの注射針の使い回しで広まったC型肝炎ウィルスは、さらに、ヒロポンをしていた人が売血、すなわち、輸血によってお金を得ることによって、さらに感染が拡大したと考えられる。
アメリカのC型肝炎ウイルスの拡散要因は、輸血、ベトナム戦争、麻薬中毒、C型肝炎ウイルスに感染した血液の売血とそれによる薬害である。
その感染した血液などからフィブリノゲン製剤などの血液製剤が作られ、日本はミドリ十字を通じて汚染された製剤を輸入していた。
この製剤が、日本における手術の際に、止血剤として利用されていた。また、1981年頃からは、フィブリン糊として手術で使われるようになった。
汚い血から製剤が作られていることは当時でも容易に認識できたにもかかわらず、その製剤を漫然と輸入し、日本中の病院に納入していたということで、ミドリ十字、また、薬剤として利用を許可していた国などの責任が大きく問われることとなった。
よって、1970年頃以降の日本におけるC型肝炎ウィルスが蔓延した要因は、
輸血
フィブリノゲン製剤
の2つが大きく考えられる。
1a型は日本人は1%未満である。ということは、C型肝炎ウィルスが 1a型 であれば、「日本国内での輸血由来ではない」と裁判所で判断される可能性がある。
逆に、1a型は、アメリカに多いということであり(※この点については資料を再度検索中)、もし、1a型のウィルスに感染していることが判れば、それは、アメリカから輸入した血液製剤によって感染した可能性が高い、ということになる。